大分県豊後大野市朝地町大字池田字田村
57号線を大野に向かって朝地トンネルの手前で左折→2つトンネルをくぐると田村入り口→そこから300mほど上がると田村神社です。鳥居の前の小道を通ると田んぼが見えてきます。2枚目の上岸壁に彫られています
大野川の支流池田川をはさむ山峡の丘陵の端に露出した凝灰岩の岩壁の粗面に、地上約1mの高さから上に等身大でやや細身の不動明王立ち像が、中肉程度の厚さで浮き彫りになっています。素朴ではありますが、両肩をいからし、肘を張り両足に力を入れた姿勢は、不動明王らしい力強さがあふれています。足下および左右に四角い穴がうがたれており、足下の穴には願文を入れ、左右の穴には灯明を置いたものであったと考えられます。伝えられているものは何もありませんが、池田川をへだて東北1キロ程の地に旧一万田氏館跡を望んでいるのは、同氏と何らかの関係があるものか、と思われます。手法に稚拙なものが多く、像容が平面的であることから、室町末期か江戸初期頃の造顕と推測されます。
【参考文献】:大野川