『アフリカンサファリ』さんに教わったオススメの楽しみ方【前編】|子供も大人もテンションあがる!日本最大級の体験型サファリパーク

この情報は2018年3月の情報です
この情報は2018年3月の情報です

九州…いや、日本最大といっても過言ではないサファリパークが大分県にはあります。

アフリカンサファリには、動物園とはまったく異なる、子供も大人も大興奮の魅力がたくさん詰まっているのですが…その魅力がすごすぎてどこからどんな風に楽しんだらいいのか、うれしい悩みに苦しめられます(笑)

子をもつ父として失敗は許されない…「お父さんスゲー!」「父は偉大」賞賛の声を獲得するために、休日のお出かけの下調べはしっかりしておきたいところ。

これはもう、担当者に直接聞くしかないっ!…ということで、九州自然動物公園『アフリカンサファリ』さんにお話を伺ってまいりました!

◎内容盛り沢山!の取材&体験レポートとなりましたので【前編】【後編】【親子で1日体験編】の3シリーズでご紹介いたします。(※【後編】【親子で1日体験編】は後日公開!)

まず『アフリカンサファリ』とは?

広大な自然の中に、約70種1400頭羽の動物が生き生きと暮らしています。
大分県宇佐市安心院町にある日本最大級のサファリパーク形式の動物園で、マイカーや生態観察バス「ジャングルバス」で大型の野生動物たちを観察する「サファリゾーン」では、野生動物の迫力に大人も子どもも興奮すること間違いなし。
また「ふれあいゾーン」ではカンガルーとふれあえる「カンガルーふれあいの森」が人気。ミニチュアホースやモルモットなどの小動物ともふれあうことができます。その他、レストランやギフトショップなどもあります。(ツーリズムおおいたHPより)

【動画】アフリカンサファリのご紹介(公式YouTubeより)


実は私、大分県にそこそこ長い間住んでおりますが、一度も行ったことがありませんでした…
だって、誰と行くんです?
圧倒的に“ファミリーで行くところ”というイメージが強すぎて、興味はありつつもまだファミリーいないし…(笑)

そんな期間を経て、めでたく私にもファミリーができ、わが子も動物に興味を示すようになったので、行ってみよう!となったわけです。しかし、今回実際に行ってみてわかったのですが、ファミリー向けだけじゃない!
ココ、動物好きなら誰でもどんな方でも楽しめます!

【今回、取材を行った経緯】(※個人的な意見もあり)

  • ・ 子ども連れに100%喜んでもらいたい
  • ・ といっても、初めての「アフリカンサファリ」の楽しみ方がわからない
  • ・ 「ジャングルバス」の乗り方がわからない
  • ・ マイカーで動物ゾーンに入るって…かなりクレイジーなやつじゃないですか(汗)

個人的に結構動物好き。テレビの動物ドキュメントものとかハマっちゃいます。
せっかく行くなら!どんな風に過ごすのがベストか、わからないことなどなど…色々聞いてきました。

なんと、獣医の神田先生にお話を伺えました!

今回お話を伺ったのは、アフリカンサファリの“名物獣医”神田先生。大分県内ではもちろんのこと、結構有名&人気の神田先生は、アフリカンサファリの広報も担っています。神田さんの動物愛溢れる視点でオススメの楽しみ方をたっぷり伺うことができました。

―早速ですが、“オススメの楽しみ方!”をお伺いしたく…(ド直球)

神田さん:
「そうですねー、じゃあぐるっと園内まわってみましょうか。」

―(え!?園内まわる…?ちょっと公園を散歩するぐらいな感じですけど…)←※歩いてまわるのかと勘違い(笑)

神田さん:
「車用意してきますのでちょっと待っててくださいね。」

―あ、ありがとうございます…!(ですよね。笑)
―(でも「マイカーでまわるって…かなりクレイジーなやつじゃないですか(汗)」の不安…)

神田さん:
「お待たせしましたー。じゃ、行きましょうか。」

―あ、はい…!よろしくお願いしますっ!

ということで…この状況、わかる人にはわかる!(特にアフリカンサファリファン)
普段は絶対あり得ない、垂涎ものの『超貴重体験』となっております!

では、“神田さん特別解説付き”動物ゾーンツアーに出発です!

とにかく写真がキレイ!写真集まで出版しちゃうアフリカンサファリさんの公式SNS投稿を交えてお伝えいたします!
[公式Twitter(撮影:神田さん)]

ベストシーズンは“春”と“秋”。ジャングルバスとマイカールートは両方楽しむべし!

動物ゾーンは、7つのセクションからなる約6kmにわたるサファリロード。
動物のありのままのしぐさや表情。サファリならではの動物とのふれあいを体験してください。(公式HPより)

神田さん:
「車でまわるときは、入口でDVDを貸出します。」

ー入口で”ポータブルDVDプレーヤー”(レンタル必須:600円/税込)を貸出しており、各動物のゾーンで解説を聞きながらまわることができます。
神田さん:
「ジャングルバスと違って、車なら何周してもいいんですよ。あんまり知らない方が多いんですけどね。」

これはいい情報!だいたい車でまわる時って見逃しがあったり、もっと見たいけど…って思うこともありますよね。その日の内なら何度まわっても良いってのはありがたい!しっかりじっくり楽しめそうです。

―やっぱり寒い間って動物は活発じゃないんですか?

※取材日数日前までは頻繁に雪が積もるような、寒ーい期間でした。。。

 

神田さん:
「いや、逆に暖かいほうが活発じゃなくなります。暑すぎると大抵寝てるんですよ。ぐたーっと。」

―ベストなシーズンってあるんですか?

神田さん:
「春ですね。そして秋も。季節的にはいまから(3月~)が良くて、いろんな赤ちゃんが生まれる季節なんですよ。」

まずは『クマ・山岳動物セクション』からスタート

―さっそく、私が知ってるヒツジより濃いめのヒツジに遭遇しました。
―さっそく、私が知ってるヒツジより濃いめのヒツジに遭遇しました。

神田さん:
「”ムフロンシープ”といって羊の原種です。白いヒツジいるじゃないですか、あのヒツジのヨーロッパ原産なんですよ。いま赤ちゃんがちょうど…ほら、見えますか?」

 

神田さん:
「いまからこんな子たちがいっぱい生まれてきて、ぴょんぴょん飛びまわるんですよ。」

 

―クマーーー!

 

神田さん:
「ほら、あそこにクマさんが。ジャングルバスだと近くに寄ってくるんですけどね。でもジャングルバスだと口が目の前に来ちゃうので動物たち全体の姿が観察できないんですよ。だから、ジャングルバスでエサをあげて間近で口の中を見て観察して、それから車でじっくり見てまわるって感じで。2回まわることをオススメしてるんですよ。」

たしかに、車でまわっているときにジャングルバスには群がってくるけど、こちらの車には近寄ってこない。ドキドキしながらもじっくり観察することができます。

 

―2車線になっているのはなぜですか?

神田さん:
「じっくり観察するときは左車線に車を停めていただいて、そんな車を右車線で追い越せるようにしてます。ゴールデンウィークなんか、ずーっと左車線に車が続いちゃいますけど。」
※【注意!】車から降りない、窓を開けない、バックしない。しっかり守りましょう!

続いて『ライオンセクション』へ

神田さん:
「ここ、ライオンゾーンなんですけど…。何グループかに分かれていて…、このあたりはおじいちゃんたち(ライオン)が…ほら、いたいた!」(ちょっと見えづらい斜面に寝そべっていてなかなか見つけられませんでした)

 

神田さん:
「ライオンぽくないですね、ぐったりしてて(笑)だいたい日当たりがいいところにいるんですよ。今日はココがいいみたいですね。」

 

―さらに進んで…木の上にいるライオンを発見!

※写真を撮り損ねましたが、まさにこんな感じでした!(ツーリズムおおいたHPより)
※写真を撮り損ねましたが、まさにこんな感じでした!(ツーリズムおおいたHPより)

神田さん:
「あー、たぶん降りられないんですよ。あとでどうにかして降ろさないと…」

―獣医さんですと、ライオンも直に触って検診とかされるんですか?

神田さん:
「麻酔はかけますけどね。でも何頭かは触れるんですよ。この子たちが小さいころから人工保育した子は私を覚えてくれてるので。“触って”って来たりするんですよ(笑)」


 

次は『草食動物セクション』に入ります

神田さん:
敷地は日本で一番広いんですよ。いま見えている敷地の3倍ぐらいはあります。だから、ここには日本一の頭数の動物たちがいて、特にアメリカバイソンとかラクダとかゾウの展示とか、日本で一番多いんですけどね。多く見えないのはこの広さのせいなんです。」

↓アフリカンサファリの広大さが良くわかる動画です(公式YouTubeより)

―これは、トナカイですか?

神田さん:
「“ファロージカ”っていうヨーロッパ原産の鹿なんですよ。色が何種類かあって、白とか濃茶とか点々の柄のとか。で、ヨーロッパの森の中ではこの子たちが集まって落ち葉のような保護色になるんですよ。」

―巨大な黒いかたまり“アメリカバイソン”
―巨大な黒いかたまり“アメリカバイソン”

神田さん:
「日本にいるバイソンの半分以上はココにいます。動物園だと1~2頭いればいいんですよね。他のところだと、こんなにたくさんのバイソンは怖くて管理しきれないかもですね。首から上、頭だけで150キロぐらいありますからね。夏になると、この大きい体が一気に動物ゾーンを走り回るときもあるんですよ。」

 

神田さん:
「こっちにもたくさんいますね。実はこの中にもボスがいて、オスは性的に優勢順位があって、交尾はボスしかできないんですよ。他のオスは交尾しようとするとボスに怒られるし、年に1回の発情期は争い事で大変です。その時に負けたオスたちはココから追い出されちゃうんですよ。」

 

―追い出されたオスってどこにいるんですか?

神田さん:
「この山の向こう側の見えないところで1年間ガマンの修行中です。また1年後にチャレンジするために(笑)」

いろんな動物が共存している“アフリカンサファリならでは”の環境

神田さん:
「あそこでは、ゾウと鹿とサイとシマウマと…ってぐっちゃぐちゃになってますけど(笑)」

神田さん:
「なるべく混合展示をしたいと思ってて。野生動物には適度なストレスって絶対あった方が良くて、繁殖力があがったり食欲が増すんですよね。例えば、エサがずっとここに置いてあると、サイは食べなくなっちゃうんですよ。でも一緒にいる鹿から食べられる!って思ったらすごい食欲が出るんですよね、食にどん欲になるというか。だから、頭数を少なくして種を絞って…ってすると運動量が減っちゃうんですよね。ご飯食べて寝て、ご飯食べて寝て…な感じで(笑)」

なるべく野生に近い環境をつくり出すことで、動物たちの心と体をしっかりケアしているんですね。車の中から動物たちを見ていると「ここ、ホントに大分県内だよな?」と…ちょっと変な感じがするほど、動物たちが大自然の中で暮らしている様子を感じることができます。

―(急斜面の下に大きなサイを発見!)あんな下にサイがいますけど、上がってこれるんですか?

 

神田さん:
「全然上がれます。走ろうと思えば時速40~50キロで走れるぐらいですからね。サイって風にあたるのが好きで、風当りによって移動するんですよ。もうちょっと暖かくなるとさらに上まであがって風を感じたりしてます。」

 

神田さん:
「あ、あそこのサイの向こう側にバイソンが隠れてますね。あれがモテないオスですよ、喧嘩に負けたバイソン。戻ったらボコボコにされますから(笑)」

愛情たっぷり育てられたゾウとお客さんへの思いを形にした環境づくり


 

神田さん:
「アジアゾウなんですけどね、モウト(掘り込みの溝)なし檻なし電柵なしチェーンなしなんですよ。興奮したらお客さんのところにドッと来ちゃってもおかしくない状況なんですけど、あの車に日本人と外国人スタッフが乗ってて、声とエサでコントロールしてるんですよ。」

―各動物たちのエリアには、スタッフさんが車で常駐しています。

神田さん:
「当初、モウトとか無しじゃ危ないんじゃないかってみんなから反対されてモメたんですよ。でも、それだとお客さんにとって迫力がないじゃないですか。結論、この展示方法が一番良かったですね。ゾウたちはみーんな自由に楽しそうに遊んでるし。この子たちも攻撃する気はないんですよね。自由気ままに暮らしてますし。飼育係も動物たちが楽しそうにしてるとテンションが上がりますしね(笑)」

 

神田さん:
「あの子はサファリ生まれのチビちゃん、もう4歳半、5歳ぐらいかな。43年の開園の歴史の中で、1頭だけ生まれたゾウの赤ちゃんなんですよ。大変だったですけどね、はじめ半年間は心配で心配で。3ヶ月ぐらい泊まってましたから。お母さんゾウのミルクがあんまり出なかったので、我々がミルクをあげてお母さんが面倒見るみたいな、共同保育をやりまして。立派にもう500キロぐらい位あるかもしれないですね。わがまま放大太りました(笑)」

 

神田さん:
「ジャングルバスってエサをあげたらすぐ次に進んじゃうじゃないですか。だから、じっくり観察するためには車の方がいいかなって思いますね。」

日本中が注目する“キリン”を育てる

神田さん:
「他の子たちは外に出ちゃってて、あの2頭のキリンだけなんですけど、アミメキリンっていう種類で、いまペアリングをしてるんです。この子たちの子供は日本中のどこの動物園も欲しがるぐらいの日本にいない血統なんです。まだ人間でいうと中学生ぐらいで若いんですけどね。」

―外に出すって、他の動物園に?

神田さん:
「そうです、動物園に。日本国内の動物園ってネットワークがあって。たとえば同じペアの子ばっかり生まれても困るじゃないですか、日本の血統が濃くなっちゃうので。だからそれを入れ替えることで血統の管理をしてるんですよ。だからあの子たちも世界的な戸籍があって、人間よりも先にマイナンバー制度が採用されてるんです。」

 

―サイズはどれくらいまで大きくなるんですか?

神田さん:
「もうひとまわり以上大きくなります。今はまだ4mないんですけど、大きいオスは6mぐらいになるので、この1.5~2倍に近いぐらいまで。」